関東特殊加工協同組合と名称変更してから初めての研修旅行が平成30年4月27日(金)から28日(土)の一泊二日で行われました。箔押業界と一緒になった記念の意味もあって、箔の聖地とも言われている“金沢”へ行ってきました。

 

工場見学 笠間印刷製本株式会社

北陸新幹線で石川県は金沢へ。金沢駅からタクシーに分乗して北陸自動車道・白山IC近くの同社へと向かいます。高速道路からはジャパンディスプレイ白山工場と並んでいる同社が目立ちます。

今回訪問させていただいた笠間印刷製本株式会社は明治8年創業の預金通帳の専門製造メーカーです。近年は特殊UV印刷に特に力を入れており、現在クリアファイルはwebサイト『カサマート(www.kasamart.jp)』にて全国各地よりネット注文を受け付けています。通常のA4、A5サイズはもちろん特殊サイズも得意としており、封筒式のクリアファイル、バッグ型クリアファイルは特許製品となっています。

平成27年度「第14回印刷産業環境優良工場」表彰において、同社の本社工場が『経済産業大臣賞』を受賞しました。(2013年には局長賞を受賞しています。)さらに上位のレベルをめざし、環境マネジメントや環境の保全活動のレベルアップに取組んでおられ、システムを自社内容に合わせるカスタマイズ導入するなど、ハード・ソフト面の改善が進んでいます。同社の環境対策は既に業界トップレベルの領域に達しています。 その内容は、太陽光発電からデマンドコントロール、LEDの採用や、主力製品である通帳へのカーボンオフセット展開など幅広く行われています。32種類に分別する廃棄物処理、各資材のリサイクル率99%など業界トップと言っても過言ではないでしょう。社会貢献活動も活発に行われていて、損紙の地域幼稚園30ヶ所への寄贈や、白山市「水の旅案内人」や献血活動なども行っており、田上社長のプレゼンテーションでは海岸の清掃活動についても話されていました。

同社の売上は、創業以来のコアビジネスである銀行通帳が50%を占め、証書やチラシなどを含めた金融機関向けの印刷物と合わせると85%を占めているそうです。「目標は通帳の取引先金融機関数で日本一になること」。そのためには、自動化によるコストダウンに加え、さらなる品質の向上が欠かせないとのこと。 長いスパンで見れば、(IT化、ネット取引の普及で)銀行通帳がいつまで現在の形で存続するかすら不透明です。だからこそ品質を高め、オールカラー通帳など付加価値の高い物を提供して行く必要があるのだと熱弁されていました。

そしてストーンペーパーやクリアファイルなどの新しい分野の開拓にも積極的に取り組んでおられます。同社が特許取得し販売しているストーンペーパーは、原料に木材チップやケナフなどを一切使用せずに、石から抽出した無機鉱物粉末からつくられる紙です。したがって貴重な森林資源を伐採することもなく、また、製造時に水を使用しないため、排水がまったく出ないので『水質汚染』につながらないのが特長。まさに環境に優しい新しい紙と言えるでしょう。

クリアファイルは“ ネット通販” で展開されています。みなさんもぜひ一度同社の通販ページ(www.kasamart.jp)をご覧になってみてください。ネット通販では我々が日々行なっている従来型の“ 営業”という概念はありません。顧客である一般消費者が同社を選択してくるわけです。そして発送日や送料など明確に決まっていて、無理な金額や納期などの要求はありません。女性のネット通販オペレーターは男性営業よりも売り上げを上げるのも珍しくないとのことでした。

今回工場見学させていただいて一番驚いたことは各所に大型モニターが設置され、全てのジョブの進行管理がされていることです。同社の工場は経営情報システム(MIS)が導入され、環境を含めた経営情報の見える化が実践されています。大型モニターにMIS(プリントサピエンス)とプリネクト プリプレスマネージャーの画面が映し出されていて、モニター上で作業指示がなされています。

田上社長のお話では同社のコスト管理の基本は、「時は金なり」だそうです。「当社は会長の時代から、通し枚数ではなく、1分何円という時間単位で原価計算をしていました」とのこと。全てのジョブの開始時間と終了時間が入力され、分単位で管理されているそうです。それにしても“ 分単位”とはすごいですね。MISの画面を見ている間にもクリアファイルの生産が工程ごとに色分けされ、どの品物が今ウエルダーされているのか、どれが発送待ちなのかが一目でわかりました。

工場見学はあまりにすご過ぎて、参考になるというよりも、理想像として憧れるというのが率直な感想ではないでしょうか。

 

宿泊地 加賀山代温泉「ゆのくに天祥」

宿泊地は加賀山代温泉の「ゆのくに天祥」に泊まりました。チェックインして直ぐに宴会となった為、せっかくの温泉にゆっくりとつかっている時間がなかったかも知れません。

その後、二次会は同旅館内のスナックルームにてカラオケを楽しみました。

 

金箔貼り体験 金沢カタニ

二日目は貸切バスにて金沢に戻り、箔押部会賛助会員のカタニ産業株式会社の本社にお邪魔して金箔貼り体験をしました。はじめに蚊谷会長より本金箔についてレクチャーしていただきました。

お話で面白かったのは金箔を透かしてみると紫色に見えること。金は赤~黄~ 緑の波長帯で高い反射率を示すので、普通に見たときには黄色・橙っぽい色に見えます。薄く延ばされた金箔を光にかざして見ると、黄色・橙系の光は反射されますが、その補色の青系の光は金箔を通り抜けてきます。したがって、金箔を透過した光は青紫に見えるのです。紫色が高貴な色とされる由縁はそこからきているのだそうです。だから偉いお坊さんは紫の袈裟を着ているのですね。

お待ちかねの金箔貼り体験。1gの金からできる金箔は1平方メートル。それだけ薄いのですね。少しでも風が起これば飛んで行ってしまう金箔。お約束通りにクシャミをする人や、体から発する電波(静電気?)で箔が逃げて行ってしまう人などもいて、楽しい時間を過ごせました。

 

兼六園・金沢城址公園

金箔貼り体験の後はバスで移動して兼六園へ。園内の「寄観亭」にて昼食をとりました。急ぎ帰らなくてはいけない方々とはここでお別れです。

17世紀中期、加賀藩により金沢城の外郭に造営された藩庭を起源とする江戸時代を代表する池泉回遊式庭園で、岡山市の後楽園と水戸市の偕楽園と並んで日本三名園の一つに数えられています。兼六園の名は、松平定信公が『洛陽名園記』を引用して、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の6つの景観を兼ね備えていることから命名されました。
春夏秋冬それぞれに趣が深く、季節ごとに様々な表情を見せてくれますが、特に雪に備えて行われる雪吊は冬の風物詩となっています。県内でも随一の桜・梅・紅葉の名所でもあり、日本さくら名所100選にも選ばれている所です。

金沢城址公園は加賀藩主前田家の居城です。明治以降は存城とされて軍施設が置かれたため建物の一部を残して撤去され、第二次世界大戦後には金沢大学が平成7年まで置かれていました。明治6年に陸軍省の財産となって、明治8年「陸軍歩兵第7連隊」が配属されました。そして明治31年に「陸軍第9師団司令部」が置かれ、第二次世界大戦が終わるまで存続しました。城の石垣にもレンガ作りのトンネルが開けられているなど軍施設としての面影も見ることができました。

その後は金沢市民の台所、大江町市場を散策し、新幹線にて帰路につきました。
今回の研修旅行では、行程の関係で三日目のゴルフに参加される人にとっては金沢駅と加賀温泉駅とを2往復する形となってしまい、ご不便をおかけしました。

 

全日本光沢化工紙 懇親ゴルフコンペ

平成30年4月29日(日)に金沢の「片山津ゴルフ倶楽部 日本海コース」に於いて、全日本光沢化工紙協同組合の懇親ゴルフコンペを開催致しました。このコースは4月27日(金)に当組合が工場見学をさせて頂いた「笠間製本印刷㈱」の田上社長様に予約して頂きまして、お忙しい中にも拘らず田上社長様にも参加して頂き13名で凌ぎを削りました。当日は誠に素晴らしい晴天に恵まれまして皆、勝手に日頃の行いの省にしてましたが如何なものでしょう?
片山津ゴルフ倶楽部の昼食で1 番に目が付いたのが「うな丼 1370円」と云うのがあり「これは格安!」東京だと安くても3000円は下らないので迷わず注文して美味しく頂きました。競技方法は平等にと云う幹事の独断で「新ぺリア方式の上限無し」で誰もが優勝出来る様に致しました。その結果は「優勝・J フィルムの上坂氏」「準優勝・小原副理事長」と云う結果になりました。とても楽しいゴルフコンペでしたが今回は鶴田理事長の御計らいで組合からの補助を沢山頂きました。お陰様で楽しい旅行とゴルフが出来ました。誠に有難う御座いました。        
          ゴルフの幹事 宮本